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弁護士インタビュー

声を上げる勇気が社会を変える
多様化する性被害と変わる社会意識

性被害相談が増えた背景は?
近年、性被害のご相談は明らかに増加傾向にあります。これは新たな被害が増えたというよりも、元々あった問題が今明るみに出てきているという側面が大きいと感じています。
背景には大きく2つの要因があります。1つは社会の意識変化です。特に女性が「ダメなものはダメ」と明確に線引きできる時代になりました。もう1つは法律の厳罰化です。不同意性交等罪の制定や強制わいせつ罪の処罰範囲の拡大など、法制度も整備されてきています。
ハラスメント全般に対する社会のコンプライアンス意識の高まりとともに、これまで我慢せざるを得なかった方々が、自分の権利を主張できるようになってきたと言えるでしょう。
性被害の主なパターンは?
当事務所で対応してきた性被害案件は、大きく3つのパターンに分けられます。
1つ目は既存の関係性内での被害です。友人関係やパートナー間など、元々関係がある間での意思に反した性行為が該当します。2つ目は全く面識のない相手からの強姦・レイプ被害です。3つ目はクラブやキャバクラ、風俗店などでの行き過ぎた行為による被害です。
特に近年増加しているのは、1つ目と3つ目のパターンです。従来は明るみに出なかった問題に対して「これは許されない」という意識が広がり、ご相談につながるケースが増えています。
相談のきっかけで多いのは?
特に多いのは、ご家族やご友人のサポートで勇気づけられて来られるケースです。なかなかご自分では言い出せなくても、周囲の方の支えがあって一歩踏み出せることがあります。
また、長期間納得がいかず、悩んでいた末にご相談を決意されるケースや、警察に相談したものの十分な対応が得られず、ご相談に来られる方もいらっしゃいます。
弁護士への相談は敷居が高く、特に費用面の不安から躊躇される方も多いです。そのハードルを下げることも私たちの使命だと考えています。

負担を最小限に、権利は最大限に
賢明な示談解決への道筋を立てる

示談解決のメリットと流れは?
当事務所で扱った性被害案件の多くが示談で解決しています。刑事裁判の多くは半年から1年以上かかりますが、示談なら1か月以内、早ければ数日で解決することもあります。事件のことを長く引きずることなく、早期に区切りをつけられる点が、示談の大きなメリットと言えるでしょう。
ご依頼後は加害者に行為を認めさせ、謝罪の意思を引き出すとともに、適切な賠償金の支払いを求めます。示談書には今後の接触禁止、守秘義務なども盛り込み、被害者様の安全をお守りします。
示談金について教えてください
示談金の額は事件の内容や被害の程度によって大きく異なりますが、重要なのは適正な金額を得ることです。加害者側から提示される金額は、不当に低いことが非常に多いです。「これくらいで示談してほしい」と言われても、その額をそのまま受け入れる前に専門家に相談してください。当事務所による交渉で、金額が大幅に増額されたケースも多いです。
また、慰謝料だけでなく、休業損害やPTSDなどの治療費といった派生的な損害も請求可能です。加害者の適切な賠償はご自身の被害回復のために重要ですので、できるだけ専門家の意見を聞いてから判断してほしいです。

警察対応の限界を超える弁護士の役割
自身の経験から生まれた高い共感力
警察と弁護士の役割の違いは?
性被害に遭われた場合、基本的には警察への相談が第一選択となります。特に被害直後は、証拠保全のためにも早めに警察へ相談してください。ただ、警察の対応はケースバイケースで、担当者によっても大きく異なります。特に男女・友人関係にあった上での被害や風俗業界でのトラブルは、被害届が受理されにくい場合もあるのが現実です。
弁護士の役割は、被害者様の代理人として法的支援を行うことです。刑事告訴の手続きをサポートして警察の動きを促したり、示談交渉を進めたりします。警察と弁護士それぞれの役割を組み合わせることで、より良い解決に近づけます。

セラヴィの強みは何ですか?
私自身、過去に医療過誤の被害者として裁判を経験したことがありますので、被害者様が抱える痛みや葛藤を深いレベルで理解できます。また、医療事件を専門としてきた経験から、精神的につらい状態にある方々が求めておられることもよく分かります。
当事務所では、これまで性被害を含む男女トラブルを100件以上解決してきました。加害者に対しては妥協のない断固とした姿勢で臨み、被害者様の権利と尊厳を最大限守ります。社会的地位の高い加害者であっても「逃げ得」は許さず、適正な賠償と誠意ある謝罪を引き出す交渉力が、当事務所の揺るぎない強みです。

時間が証拠を消す前に
被害後すぐの相談が解決の可能性を広げる

性被害の証拠として重要なものは?
性被害事件で特に重要な証拠は、被害直後の状況記録です。服の破れや外傷などは客観的証拠として非常に価値があります。警察での証拠採取(頭髪、服の繊維、唾液など)も有効です。
LINEなどのメッセージ記録も有力な証拠になります。被害前後のやり取りや、被害直後にご友人に相談した記録も補強証拠として重要です。
「証拠がない」「相手が分からない」と諦めてしまう方もいますが、詳細な事実聴取から状況を立証できることもあります。特に関係性がある加害者の場合、何らかの証拠を見つけられることが多いものです。どんな場合でも、まずはご相談いただければ、一緒に解決策を考えさせていただきます。
相談の理想的なタイミングは?
理想的な相談のタイミングは被害直後です。まず警察に相談し、できれば翌日には弁護士にもご連絡いただくのがベストです。しかし実際には、1か月後、2週間後など、少し時間が経ってからのご相談も多いです。
当事務所としては、被害から2~3か月以内、遅くとも1年以内のご相談が望ましいと考えています。時間が経つほど証拠保全が難しくなり、警察の動きも鈍くなる傾向があります。
特に示談交渉においては、「起訴前」が最も有利な時期です。この期間内での解決が被害者様にとっても負担が少なく、満足度の高い結果につながりやすいです。時間が経っていても諦めずに、まずはご相談ください。

加害者の「逃げ得」は許さない
あなたの勇気が自身と社会を守る

性被害に遭われた方へのメッセージをお願いします
意思に反した性行為は絶対に許されないものです。加害者の中には「時間が経てば忘れられる」「被害者は声を上げないだろう」と考え、責任を取らずに逃げ切ろうとする人もいます。また、「本気で抵抗したのか」「被害側にも落ち度があるのではないか」という社会からの偏見により、かえって被害者側が責められるというケースも少なくありません。このような加害者の「逃げ得」は決して許してはいけません。
泣き寝入りはご自身のためにも、社会のためにも良くありません。早期に専門家に相談することで心の負担を軽減し、適切な解決に近づけます。一人で抱え込まず、まずは勇気を出して一歩踏み出してください。当事務所はあなたを全力でサポートいたします。