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お酒や薬を飲まされて何をされたか分からない
記憶がない状況での被害の深刻さ

お酒や薬を飲ませて意識を失っている状況を悪用した行為は極めて悪質な犯罪行為で、刑法第176条の「不同意わいせつ罪」や第177条の「不同意性交等罪」が成立します。2023年の法改正により、「心神喪失・抗拒不能の状態」を利用した性行為は明確に犯罪として処罰されることが法文上にも明記されています。
こうしたケースでは被害者様が「本当に何かされたのか」「勘違いではないか」と自分を責めてしまうことがありますが、「記憶がないから何をされたか分からない」という状況こそが、加害者の計画的で悪質な行為を示す重要な証拠となります。意識を失わせてから行われた性行為は、被害者様の同意を得ることが不可能な状況で行われた重大な人権侵害です。
示談金の目安について
お酒や薬がからむ性被害は、その計画性と悪質性から示談額も相応に高額となります。被害の内容が特定できた段階で、その程度に応じた適切な賠償額を算定します。
被害の程度により金額は大きく異なりますが、軽微なわいせつ行為であっても50万円から100万円程度、より深刻な被害の場合は数百万円以上の請求が可能な場合があります。また、PTSD等の精神的後遺症や、検査・治療にかかった費用、仕事への影響による休業損害なども損害として請求できます。
被害の特定と証拠収集
記憶がない状況での被害について、当事務所では詳細な聞き取りを通じて被害の全体像を明らかにしていきます。被害者様の記憶の断片、身体の状況、衣服の乱れ、その後の体調変化など、様々な角度から被害の内容を特定する作業を行います。
医学的な検査結果も重要な証拠となります。性感染症の検査、妊娠検査、薬物検査などにより、被害の事実を客観的に立証することが可能です。また、被害直後の医師の診断書や看護記録も貴重な証拠となります。
加害者とのやり取りの記録も見逃せません。被害後のLINEやメールで加害者が謝罪していたり、「昨日のことは忘れて」といった発言をしていたりする場合、これらは加害者が何らかの行為に及んだことを示す重要な証拠となります。
示談交渉における配慮事項
記憶がない状況での被害について、兵庫県神戸市・三宮の弁護士法人セラヴィでは被害者様の心理的負担を特に重視した対応を行います。詳細な事実確認が必要な一方で、被害者様が無理に思い出そうとして二次的な精神的被害を受けることがないよう、慎重に進めていきます。
示談交渉では加害者に対して被害の全容を認めさせることから始めます。「覚えていないなら被害ではない」という加害者の主張は断固として退け、客観的証拠に基づいて事実を認定させます。
解決後は、被害者様の安全確保のため、加害者からの接触を完全に遮断する条項を示談書に盛り込みます。また、守秘義務についても厳格な条項を設け、被害者様のプライバシーを保護します。